ONSITE FESTIVAL 11月8日 12:25〜 シアター1
SATOSHI KON, THE ILLUSIONIST
「今敏─夢みる人」ジャパンプレミア
アニメーション映画の顔を変えた男への魅力的なトリビュート
漫画家でありアニメーション映画監督の今敏は、2010年、46歳で突如逝った。彼がのこした作品は少なく、遺作は未完に終わったものの、現代日本の文化史において最も広く配給されたアニメーション作家のひとりであり、今なお多くの人々に影響を与えている。
彼の死から10年後、ついに仲間たちが今敏の作品について語り始めた。そして日本、フランス、ハリウッドの後継者たちも、彼がのこした芸術的遺産をふりかえる。
『今敏─夢みる人』は、その人生を漫画と大人向けアニメーションへ捧げた孤独な作家の軌跡をたどるドキュメンタリーである。
監督のパスカル=アレックス・ヴァンサン(『Give me your hand』『三輪明宏ドキュメンタリー~黒蜥蜴を探して~』)は、東京からパリ、ロンドン、そしてロサンゼルスまで、今敏を知る人や共に働いた人を訪ね歩く。今敏の映画や貴重なアーカイブ映像がふんだんに盛りこまれた本作は、2000年代のアニメーションの世界へ、さらには世界的なカルト作家となりながら悲劇的な運命にみまわれた映画監督の作品世界へと飛び込んでゆく。
証言を寄せた盟友や友人は、押井守(『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』)、細田守(『おおかみこどもの雨と雪』)、さらには1971年にマッドハウスを共同で設立し、今敏の映画をプロデュースした伝説の丸山正雄。そしてダーレン・アロノフスキー(『レクイエム・フォー・ドリーム』)、ジェレミー・クラパン(『失くした体』)ら海外の映画監督も証言を寄せ、今敏作品の重要性が今後さらに国際的に知れわたることになるだろう。
- ‘‘今敏はアニメーション映画の幅を広げてくれた。映画としてアニメーション映画を楽しむことを目指されていた。’’
- ――細田 守(『おおかみこどもの雨と雪』)
- ‘‘彼のキャラクターも、彼が作った映画も全く同じですよ。なにしろ完璧を追求している。’’
- ――押井 守 (『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』)
- ‘‘彼に力があることは僕が見出した訳でもなんでもなくて、みんなが分かっていた。かなりの人が分かっていた。’’
- ――丸山正雄 (元マッドハウス共同創設者)
本作の出演者
日本
安藤雅司(キャラクター・デザイン)、細田守(映画監督)、押井守(映画監督)、真木太郎(プロデューサー)、宇佐田正彰(編集)、丸山正雄(プロデューサー)、村井さだゆき(脚本)、岩男潤子(声優)、池信孝(美術監督)、飯塚昭三(声優)、三間雅文(音響)、沖浦啓之(映画監督)、筒井康隆(作家)、林原めぐみ(声優)
フランス
ジェレミー・クラパン Jérémy Clapin(映画監督『失くした体』)、マルク・キャロ MarcCaro(映画監督『ロスト・チルドレン』)、マリー・プリュヴォ=ドラスプル Marie Pruvost-Delaspre(アニメ史家)、アレクシス・ブランシェ Alexis BLANCHET(パリ・ソルボンヌ大学教授)、ディミトリ・メゲルビ Dimitri Megherbi(哲学者)、ヤエル・ベンナン Yael Ben Nun(アヌシー城博物館アニメーション映画コレクション主任)
アメリカ
ダーレン・アロノフスキー Darren Aronofsky(映画監督『ブラック・スワン』)、ロドニー・ロスマン Rodney Rothman(映画監督『スパイダーマン:スパイダーバース』)
イギリス
鈴木亜矢(アニメーター)、アンドリュー・オスモンド Andrew Osmond(アニメーション映画批評家)
作品情報
監督:パスカル=アレックス・ヴァンサン 撮影:ゴードン・スプーナー/清村俊幸
製作:ユーロスペース/ジェンコ/Carotta Film/Allerton Films
製作助成:
プロデューサー:堀越謙三/真木太郎/ヴァンサン・ポール=ボンクール
出演:ダーレン・アロノフスキー、ロドニー・ロスマン、ジェレミー・クラパン、筒井康隆、押井守、細田守ほか
音楽:テオ・シャピラ 編集:クレモン・セリツキ 録音:中野弘基 音響:グザビエ・ティボー
2021年/日本・フランス/82分/カラー/1:1.85
Photo credit『パプリカ』 © Sony Pictures Home Entertainment. All rights reserved.